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トレーナーインタビューVol.3 社労士 平井 利宗氏『寛容な社会に向けてリフレクションを ~生きづらいと感じる人のいない社会づくりのために~』

プロフィール

インタビュイー:

平井 利宗
株式会社百人隊長 代表取締役
組織開発コンサルタント
平井経営労務管理事務所 社会保険労務士

インタビュアー:

久保田 博
一般社団法人21世紀学び研究所 所長
TIS株式会社 産業公共事業本部 産業ビジネス第1事業部 プロデューサー

古代ローマの組織観をもって組織開発の世界へ

久保田:改めまして、本日はトレーナーインタビューということでよろしくお願いします!まずは、平井さんのご経歴やお仕事内容についてお伺いできればと思います。

平井:2007年に社労士事務所からスタートしました。制度・仕組みづくり等いろんな仕事をする中で、なかなかうまくいかない・・・。理想の組織作りに向けて、人事制度や就業規則を作っても人が辞めてしまう、やればやるほどうまくいかない経験が2015年くらいまで続きました。

久保田:そうなんですね。平井さんにとって理想の組織とはどのような組織なのでしょうか?

平井:もともと、古代ローマを研究するのが好きで、ローマ人が多種多様な気候や風土や宗教の環境下でどのように千年もの間、統治したのかを学びました。その古代ローマの世界観から、理想の組織づくりをイメージすることが多かったですね。

久保田:なるほど。古代ローマがお手本なのですね。少し別角度の質問になるのですが、百人隊長という社名にはどのような想いが込められているのですか?

平井:社名を百人隊長とした理由は古代ローマ軍の100人率いる軍曹みたいな管理職を増やしたいという思いに由来しています。ただ頭が良いだけではそれは成し遂げられず、人の違いを理解する、その人の強さを活かすことができる人、リスペクトされる人を増やしていきたいと考えるようになり、そこから、学習する組織を軸とした組織変革・行動変容をしたい!と思うようになりました。

メンタルモデルに向き合う覚悟

久保田:素敵な社名ですよね。由来についても理解しました。学習する組織を軸とした、というお話がありましたら、そこから熊平さんとの出会いにつながったのでしょうか?

平井:そうですね。2015年に、チームダーウィンという本を手に取ったのがきっかけです。今までの私のアプローチは、メンタルモデルの理解はしているが、実際にはあまり触れずにいました。構造を変えることで結果としてメンタルモデルも変わるものと信じていたのです。
一方で、どうしても意思決定がうまくいかない等、同じ問題が起き続けており、その根底にはメンタルモデルがあり、邪魔をしているのではないか、と思い始めました。
さらに、熊平さんのダイアローグを読んだことで、さらにメンタルモデルに向き合うべきだ、ここに現状を打破するきっかけがあると確信しました。
そして、熊平さんにお会いしたいという思いから、知り合い経由で紹介してもらい、リフレクションコーチ養成講座に参加することになりました。

久保田:そんな想いがあったのですね!実際、受講してみての率直な感想をお伺いできますか?

平井:インプットとアウトプットが同時にできる良い時間でした。オンライン講座は得意ではなかったのですが、、2時間という短い時間の中で中身が充実しており、講座の作りがしっかりしていると思いました。

久保田:OS21プログラムは、他のプログラムと比較し、どんな特徴や違いがあると感じますか?

平井:メンタルモデル・リフレクション・ダイアローグに特化したユニークなプログラムですよね。メンタルモデルの世界観を垂直的に学べる体系化されたプログラムだとも思っています。

久保田:ありがとうございます。OS21プログラムの中で、とくに好きなところはどんなところですか?

平井:ダイアローグにもある『組織の合意形成をどのように図るか』に関する記述が目から鱗でした。

▼合意形成の手法イメージ

また、アンラーンの課題は手ごわかったですね。あそこまで自分自身の内面に向き合えるのが、この講座の醍醐味だと思いました。

久保田:以前は、どのように合意形成を行っていたのですか?

平井:昔は、そこまで丁寧にやれていなかったです。価値観の優劣はつけられないと思っていましたし、レバレッジポイントを優先していました。今は、腹割って話すことの重要性や、人によって価値観が違うことをわかっている人たちなら理想の組織作りができる!と、この合意形成のコンテンツから勇気をもらいましたね。

組織開発におけるリフレクション・メタ認知の活用

久保田:なるほど。よくわかりました。それでは、リフレクションコーチ養成講座受講後、当時感じられていた課題は解決されましたか?

平井:顧客と向き合うときの引き出しが増え、自分自身の厚みが増した感じがします。
例えば組織開発において、ビジョン決定やビジョンへどのように向かうかの過程で合意を重ねていきます。そこでは問題が起こり、うまくいかないことも多く、問題に対して向き合いながらも実際に行う対話は会話止まりでした。リフレクションというスキルを得て、対話(まずは評価判断せずに聞く等)ができるようになりました。
顧客と向き合うプロセスおいて効果・変化を感じることがあり、要所要所で効果が出ている感覚があります。
またコーチングする際も認知の4点セットにより、顧客の意見の背景にある経験、感情、価値観が可視化されることで、フィードバックがしやすくなり、顧客が私との対話により腹落ち度が上がっているとも感じられるようになりました。(実際に用いた認知の4点セットのワークシートをお見せいただきました。)

久保田:認知の4点セットをビジュアライズして見せるのいいですね。その他、活用される中で、どんな効果を感じられていますか?

平井:毎月1回、顧客の幹部ミーティングがあり、そこでもリフレクションを行っています。最近だと「自分が許せないと思ったこと」についてリフレクションを行いました。
また、ある社会福祉法人において、「タイムマネジメントが大事」と「生きる意味を尊重することが大事」という意見が対立していました。
答えはないのだけれども、相手の立場に立ってみてどちらの意見も大事にしながら、組織として機能するには何を優先すべきか?を考えることが重要だというとこに気づいて、議論を深められた例でした。そして、その場のリーダーがリフレクションの効果に気づき、リフレクションを継続したいという意欲を見せてくれたのも嬉しかったですね。

こんな人にオススメ・今後の展望

久保田:素晴らしいエピソードをありがとうございます。リフレクションコーチ養成講座は、どんな人が受講すると良いと思われますか?

平井:万人(笑)コンサルタントでもいいし、経営者、親御さん・・・
経営者と対峙し、人の問題を扱う社労士などの士業等。行政の方、個人的には学校の先生とかにも受けてほしいと思います。また、コンサルタントは必須でしょうね。

久保田:日本はほとんどが中小企業で、そのような企業・集団の力を最大化できているような状態が理想なんじゃないかなと思いますね。その点で、士業さんなど、経営に伴走される方のリフレクション・対話のスキルはとても重要ですよね。
平井:はい、ほんとそのとおりです。

久保田:最後に、今後の展望やビジョンを教えてください。

平井:50~100人くらいの会社を元気にしていきたいですね。大企業は制約が多いですし、なかなか社長とダイレクトにコミュニケーションできないので。トップの本気のビジョンを握ることが重要で、企業の目標に合わせて成果が出るように支援したいと思っています。また、教育分野にも興味ありますね。
多様性が謳われる社会で、なぜ生きづらいと感じる人がいるのか、と考えたときに、みんながリフレクションを理解して、お互いが寛容でいられる社会にしていくことで、みんなが生きやすくなるのではないかと考えますね。

久保田:素晴らしいお考え・ビジョンですね。本日は本当にありがとうございました!

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