活動報告

ACTIVITY REPORT
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トレーナーインタビュー Vol.1 株式会社LIFULL 山下 太郎 氏

プロフィール

インタビュイー:

株式会社LIFULL
LIFULL HOME’S事業本部 事業ビジネスパートナー推進部 アカウントユニット パートナー6G グループ長
山下 太郎氏

インタビュアー:

株式会社LIFULL 人事本部 組織開発グループ
一般社団法人21世紀学び研究所 事務局長
西谷 みゆき

リフレクションとの出会い

西谷:同じ会社に勤めながら、OS21の講座にたびたび参加してくださっている山下さんですが、そもそも、なぜリフレクションをこんなに極めるようになったのか、話を伺うのは初めてですね!とっても楽しみです。
そもそも、リフレクションに興味を持ったのに、何かきっかけはあったのですか?

山下:そうですね。実はきっかけとなる経験がありまして。2020年頃、部下から『あなたの下で働くのがイヤだ』というフィードバックを受けたことがあるんです。確かに好調なチームとは言えなかったかもしれませんが、まさかそこまで嫌われているとは思わず、大きなショックを受けました。
その経験を機に、自分が変わらないといけないと一念発起し、いろいろな本を読む中で見えてきたのは、「メタ認知」の大切です。

西谷:リフレクションより先にメタ認知の重要性に気づかれたのですね。

メタ認知とは・・・自分自身の考え方や物事のとらえ方を認識していくこと、自分を客観的に理解することである。自己の強みと弱みをより深く理解できれば、それらを活かした振る舞いができるようになる。

山下:そうなんです。そんなタイミングに、社内で21世紀学び研究所主催のリーダー研修「ブルーミング実践講座」の募集があり、手を挙げました。それが『リフレクション(REFLECTION) 自分とチームの成長を加速させる内省の技術』の著者でもある熊平さんとの出会いです。

西谷:そうでしたね!山下さんが真っ先に手を挙げてくれたのを覚えています。その講座の感想はどのようなものでしたか?

山下:リフレクションと自分自身に対する理解が深まり、清々しい気持ちでした。

書籍は読んでいて理解したつもりでいたのですが、リフレクションを正しく行えていないことに痛感しました。講座の中の10%程度しか、理解、活用出来てませんでした。

また、グループワークや講義中の問いかけにより、自分の大切にしている価値観が明らかになることは、清々しくもありました。

「アンラーン」がテーマのリフレクションは、自分の蓋をしてきたドロっとした部分に向き合わざるを得ずに、苦しい時間ではありましたが、周囲の方々の問いかけや助言があったので、逃げずに向き合うことが出来ました。

山下:受講を終え、もっとリフレクションを使いこなしたい!と思い、もう一度研修に自費で申し込みました。すると、自分は『できている』と思い込んでしまうタイプであるということが見えるようになってきたんです。そこから毎日の“振り返り”の質が明らかに変わりました。熊平さんとの対話は私にとって非常に良い時間で、何気ない質問なのに『ああ、本当だ……』と、自分が見過ごしていた自分自身に気付かせてくれるんです。リフレクションを研ぎ澄ませた人の凄さを目の当たりにしました。

リフレクション・対話のツール『Practice』の活用

西谷:なるほど。熊平さんがリフレクションを体得した人のモデルとなったのですね。それからは、どのようにリフレクションに取り組まれているのですか?

山下:それからは、『Practice』というアプリを使って自グループでリフレクションを実践しています。

Practiceとは・・・TIS株式会社と21世紀学び研究所によって共同開発した、リフレクションと対話を通じて自律型人材を育むためのアプリである。Practiceから投げかけられる「問い」を通じて、リフレクションの機会を提供する。「信頼を感じたことはなんですか?」「嫌悪感を覚えたことはなんですか?」「プレイヤーとしての成功体験を教えてください」といった問いに対して、自分の「意見」と、その意見はどのような「価値観」にもとづくのか、どんな「感情」が働いているのかを入力して、投稿する。公開可能なリフレクションはチームで共有され、フィードバックし合うことができる。

西谷:なるほど。リフレクションを組織で実践するツールとして『Practice』を導入されたのですね。どのような使い方をしているのですか?

山下:5~6名と小規模な人数でスタートしました。もともとメンバーとの1on1ミーティングはリフレクションを意識しながら実施していましたが、記録にはGoogleスプレッドシートを使用していました。それを『Practice』に切り替えることで便利になると伝えながら、導入を進めました。

西谷:最初は既存ツールの代替としてのスタートだったのですね。今はどのように活用されていますか?

山下:意識一つで、経験から得られる学びの質・量は大きく変化すると思っています。教材から学ぶだけでなく、毎日の仕事で現れた気づきをちゃんと拾って、こういう学びになったと言語化していけば、より良い組織へと進んでいけるはずだと思っています。『Practice』を使えば、『学習する組織』としての価値観をうまく醸成できるのではないかと考えました。そのため、『最近学んだことはなんですか?』という問いや、会社のガイドラインに関する問いを週次で投げかけるようにカスタマイズしています。

西谷:おぉ、すごく使い込んでいますね!BeforeAfterの変化は感じられていますか?

山下:Googleスプレッドシートを活用していた際は、メンバー間でのリフレクション共有はしておらず、あくまで自己のリフレクションを促すこと、またリーダーがそれを用いてマネジメントすることが目的でした。『Practice』によって、チームメンバー同士でリフレクションのシェアと対話が可能になり、組織全体での価値観共有に繋がっていると感じます。

最近では、私が直接見ていないチームも『Practice』の利用が広がり、リフレクションを投稿してくれるメンバーが増えました。投稿にフィードバックをし、それに対しまたコメントを返してくれる。この対話を続けていると、たとえ会社が違っていても、1on1ミーティングのような濃いコミュニケーションをしている感覚になります。別の組織に異動になったメンバーからは、『みんなと繋がっている感覚があるからアカウントを残して欲しい』と言われたこともありました。

西谷:すごいですね!まさにチームの肝となるコミュニケーションツールになっていったのですね。導入のひとつの狙いとしていた「学習する組織」という価値観の浸透についてはどうでしたか?

山下:『Practice』で学びに関する問いを毎週のように投げかけて、考えてもらうことで、着実に根付きつつあるという手応えを感じています。メンバーからも直接「自分も学ばなきゃ、って感覚にだんだんなってきました」と言われました。大切にしたいキーワードを、各自の経験や記憶を結びつけることによって、より身体に浸透していくのだと思います。

今後の展望・メッセージ

西谷:素晴らしいですね。最後に、チーム運営に同様の悩みを抱えているリーダーに向けてメッセージをお願いします!

山下:自分自身がリフレクションで変われている実感があります。「嫌い」と言われたメンバーからも「あの頃と変わった」というフィードバックをもらえて、取り組んで良かったと感じました!マネージャーに限らずもっといろんな人がリフレクションできる機会を設けて欲しいと思います。その中で少しでもいいな、という感覚を得られるよう、ともに活用していきましょう!!

西谷:山下さん、素晴らしいメッセージをありがとうございました!今後も、リフレクションコーチとして一緒にリフレクションやダイアローグを広めていけたらうれしいです!ありがとうございました!

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