21世紀学び研究所は、「VUCA時代のチェンジメーカーズ ~チェンジのためのアイデアとツールを知る・使う・学び合う~」をコンセプトにイベントを開催しています。
4月9日に開催された第6回は、自律型組織のつくり方シリーズ第二弾として、「チームの力を最大化させるために必要なこと」をテーマにパネルディスカッションで対話を深めました。いずれも世界最大規模の従業員意識調査『働きがいのある会社(日本版,Great Place to Work(R)Institute)』でベストカンパニーに選出されてきた、自律型組織を実践する会社で、株式会社ヤッホーブルーイングの井手社長と株式会社LIFULL CPOの羽田氏の2名にお越しいただきました。
株式会社ヤッホーブルーイングは、『よなよなエール』や『水曜日のネコ』などのクラフトビールで国内ビール業界に風穴を開けてきた存在。斬新なデザインやネーミング、何より日本の大手ビールメーカーのものとは一線を画す個性的なおいしさを追求し、14年連続で大幅に売上を伸ばしてきました。井手氏が徹底してきた、ミッションの浸透とフラットな組織づくりについてお話を伺いました。
株式会社LIFULLは、日本最大級の不動産・住宅情報ポータルサイト『LIFULL HOME’S』でおなじみの上場企業。第4回レポートでもご紹介した通り、社員数1,300人を超える規模感で”ぜんいん経営”を実践し、社員一人ひとりの内発的動機づけを重視する仕組みづくりを多数行っています。今回はLIFULLの組織づくりを紹介した『日本一働きたい会社のつくりかた(PHP研究所)』の著者としても知られる、羽田氏にご登壇いただきました。
<INDEX>
1. それぞれの組織のあり方とは
2. 組織づくりの基本方針・ポイント
3. 採用・育成に対する考え方
4. 多様性の活かし方と組織づくりにこだわる背景
5. 自律型人材に必要なリフレクション
1. それぞれの組織のあり方とは
井手:ヤッホーブルーイング(以下ヤッホー)は1996年に軽井沢で創業し、クラフトビールをつくってきました。皆さん、よなよなエールというビールをご存知ですか。ヤッホーが一番最初に作ったビールで、23年続いている看板製品なんです。売り出した当時はあまりに斬新な存在で、世の中に受け入れられなかったんですが(笑)、大手ビールメーカーでも20年以上続くブランドは1つか2つと言われる中、しぶとく生き残っています。
ここにくるまでこだわってきたことは、ビールの味やデザイン、ネーミングなどたくさんあるんですが、組織づくりという見方でいくと、まず経営理念を浸透させることにとても力を入れてきました。経営理念では『画一的な味しかなかった日本のビール市場にバラエティーを提供し新たなビール文化を創出する。そしてビールファンにささやかな幸せをお届けする。』というミッションが最上位概念です。それを一言で『ビールに味を!人生に幸せを!』と表現しています。
組織文化をつくるポイントはいくつかあります。まず土台として、みんな自由にコミュニケーションが取れるフラットな組織、文化であること。これが非常に大事です。次に究極の顧客志向を追求すること。そして仕事の仕方として、自ら考えて行動する、切磋琢磨する、仕事を楽しむという3つを循環させること。加えて、スタッフそれぞれの個性を活かし、知的な変わり者であろうと言っています。
細かな制度を見ていくと、組織づくりに欠かせないあらゆるコミュニケーションの場を設けています。少人数から大人数まで、経営戦略や目標について喧々諤々議論をするものから、何気ない日々のコミュニケーションまで、レイヤーも色々です。そしてフラットな組織づくりの1つとして、全員ニックネーム制をとっています。ちなみにぼくのニックネームは”てんちょ”です。もともとネットショップの店長をやっていたことからで、今はあえてひらがなでかわいくしています(笑)。事業責任者であるユニットディレクターは年に1回、立候補制でプレゼンを通して決めるという文化もありますね。働きがいのある会社ランキングの中でも、地方創業で、かつ製造業の企業は珍しいので、各方面から注目していただいています。
羽田:僕は2005年にLIFULLに中途入社をしてから、初めて人事を経験しました。社長と二人三脚で組織づくりをやってきた感じです。
最初に皆さんにお聞きしたいのは「あなたが毎日職場に来る理由はなんですか」ということです。僕は、経営理念を実現するためだと思っています。僕らの会社の経営理念は『常に革進することで、より多くの人々が心からの「安心」と「喜び」を得られる社会の仕組みを創る』ということです。また、『あらゆるLIFEを、FULLに。』というスローガンを掲げています。つまり、世界の75億人の人生や生活を豊かにすることを真剣に考えて、そのための事業を展開していくということです。これを実現するためには、世界中の様々な“不安”や“不満”などを解消する事業を立ち上げる必要がありますが、経営陣のアイデアだけですべての事業を創っていくのは到底無理なんですよね。そこで、1,300人いる社員たちが事業提案しやすい環境をつくって、よりよいものをどんどん事業化するチャンスを提供しているんです。
僕たちが組織づくりで意識していることは、大きく3つです。1つ目は、経営理念と経営活動の一貫性を保つこと。2つ目は、内発的動機づけに基づいた挑戦機会をつくること。3つ目は、共感をベースに同志を集めることです。
まず1つ目の、一貫性に関して取り組んでいることの例の1つが、ビジョンツリーです。これは全ての部門にビジョンをつくるというもので、経営理念から各事業、課レベルの部門まで、それぞれビジョンを言語化しています。会社の目標と自分の目標をどう繋げたらいいか分からない、というメンバーのための取り組みです。
2つ目は内発的動機づけに基づいた挑戦機会をつくることです。一人ひとりの内側から出てくる「これをやりたい」という欲求に対して、社会の一員として思いつく挑戦は全部叶えられるような制度を設けています。また、半年に1回キャリアデザインシートという自身のキャリアの計画書のようなものを書いて、将来のビジョンややりたいことを確認し、逆算したときに今取り組むべきものを描く機会もあります。自身のビジョンに基づいた異動希望があれば、「キャリア選択制度」という制度を利用し、年に1割ぐらいの応募者のうち、6~7割の人は異動できるような制度もあるんです。
また新規事業へのチャレンジができる環境もあります。「SWITCH」という新規事業提案制度では年間100-150件ほどアイデアが出て、採用案は子会社として事業化されます。最近ではClean Smoothieという、市場に出回らない年間2百万トンの規格外野菜をスムージーにして企業様に買っていただき、社員の方々の福利厚生に利用していただくという事業ができました。
3つ目の、共感をベースに同志を集めるというのは『あらゆるLIFEを、FULLに。』というビジョンにフィットした、同志と呼べる人たちだけを採用していこうという取り組みです。
2. 組織づくりの基本方針・ポイント
熊平:お二人方とも、ありがとうございます。まず井手さんからお伺いしたいのですが、こうしたフラットな組織づくりは社長に就任された当初からやろうと思っていたことなのでしょうか。
井手:いや、最初は普通の製造業の組織と同じように、ヒエラルキーだったんです。でもうまくいかなくて、試行錯誤しながら、今の組織の形に行き着きました。私が理想の組織づくりに向けて「チームビルディング」に取り組み始めてから、3年はなかなかひどい状態で、方向性が合わずに辞めていくスタッフが多くなったり、全然うまくいかなかったです。でも諦めずにやっているうちに、今の組織のベースが出来てきたんですよ。最近は私があまり会社にいなくても、みんなで勝手にどんどんやるようになってきましたね。
羽田:3年間、どんなポイントを押さえてやり続けたんですか。
井手:社内に小さな賛同者を見つける、というのが肝でしたね。社長が全社員に一気に強制しても反発があるので、チームでフラットに働くことに共感してくれる人から、チームビルディング研修を社内でやって、それを研修参加者が現場に持ち込んで。理解がない人にも実感させて、賛同者を年々増やしていきました。
あと大事だったのは、実際結果が出るのかということ。フラットな組織にしても、ただの仲良しクラブみたいになったのじゃ意味がないですよね。でもヤッホーは実際、フラットな組織づくりをしてから業績が上がり始めたんですよ。チームで協働しているメンバーが実績を出していくうちに、「このチームづくりってやつはちょっと馬鹿にしていたけど、いいことなのかもしれない」と浸透していった感じで。
羽田:業種的に製造業というと、品質の確かなものをつくる必要があると思うので、現場では指示したことをきっちりやってもらわなきゃいけない部分もあるんじゃないですか。それとフラットな組織づくりというのは、うまく合致するものなんですか。
井手:いくつかポイントがあるんです。確かに製造って、指示されたものを淡々と正確につくることも必要なんですが、小さな改善を積み重ねていくことが大事なんですよね。多分多くの会社の製造現場の人は、言われたものをつくればいいんでしょ、というところで止まると思うんです。でも自律している人たちなら「何かもっと改善することがあるんじゃないか」とか「もっと不良品率を減らすことができるんじゃないか」という意見が出てくる。そういう意見が出やすいような環境をつくっています。
ただそうはいっても、製造現場の人は営業やプロモーション、企画をやっている人に比べると、フラットな組織っていうものにピンとは来づらいんですよね。そのために僕らは、プロジェクト制を導入していて、ファンイベントも事業部横断で手づくりしているんです。イベントには自分たちがつくっているビールを飲んで、喜ぶファンたちが来てくれるんですね。日頃は現場作業が多い製造や出荷担当の人も、お客さんの喜ぶような企画を一緒に考えて、それが形になって当日を迎えるわけですから、それは楽しいですよ。またより良いビールを、イベントをつくろうという風に、いい循環がどんどん生まれていきます。なので現場で自分なりに提案できる環境を設けつつ、ファンイベントで、僕らの『ビールに味を!人生に幸せを!』という最上位のミッションを肌で体感できるという両方の機会をつくるように工夫しています。
羽田:LIFULLの場合、LIFULL HOME’Sという事業をつくるにあたっては、しっかりヒエラルキー組織があるんです。その中で先ほどお伝えした新規事業提案だったり、プロジェクトを自由にできる環境をつくったりしているんですね。よく社長は、「平時はボトムアップ、有事はトップダウン」と言っていますが、例えば基幹事業のビジネスモデルを変える、というような全社的なプロジェクトについては、トップダウンになることもあります。ただしその場合は、かなり時間を割いて社長自ら全社に発信をし、納得感を生むようにしていますね。基本は方向を示した上でメンバーの意見を聞いていくという方針です。
井手:僕はもともと、ホラクラシーとかヒエラルキーとか、自律型とかいう言葉には全然詳しくないんですよ。だけど羽田さんの話を聞いていると、言っていることはそんなに変わらないような気がしますね。うちも大きな方向性についてはリーダーが話をしますけど、そこでメンバーからは色々質問が上がってきて、徹底的に議論するんですね。パートでもアルバイトでも関係なく、縦横無尽に。
羽田:そうですね、基本方針はすごく似ていると思います。
3. 採用・育成に対する考え方
熊平:お二人の組織では、どんな風に採用活動をしているのでしょうか。LIFULLさんは特に、ビジョンフィット、カルチャーフィットにはこだわっていらっしゃいますよね。
羽田:そうですね。例えば新卒採用に関しては、アドバイザーという制度を設けています。学生が最終面接に行く前に、通過させた人事が担当アドバイザーとしてついて、一緒に会社選びの軸を整理したり、アドバイスしたりするんです。そうするとその学生の価値観が分かってきて、LIFULLの価値観と合っているかどうかが判断できる。合う学生は最終面接に案内をして、明らかに合わないと判断した学生には他の会社を紹介するということもやっています。
井手:グループ内の会社とかでなくて、本当に全くの他社を紹介するんですか。LIFULLさんにとってのメリットって、どこにあるんですか。
羽田:全く関係ない企業さんも、紹介しますよ。アドバイザーとしてその学生の人間性や価値観まで見ていますし、どんなに力があってもビジョンカルチャーに合わないと分かった人は、最終選考をしても互いにメリットがないんですよね。であれば、全然関係ない企業でも力を生かせる場所を勧めた方が彼、彼女のためにもいいと思っています。うちは社是が利他主義、全方位に利を提供するというものなので、そういう行動に繋がっているのだと思います。
井手:すごいですね。
羽田:ありがとうございます。あとはある程度ビジョンフィット、カルチャーフィットした人を採用はしていますけど、入社した後どういう期待をかけていくのかによっても、人って変わるものなのかなと思います。ある時の全社総会で、挑戦していた事業を撤退することになった社員に話をしてもらったんです。その時「給料はいらないから続けたい、と思った仕事は初めてでした」と言ってくれて。これはすごいなと思ったんですね。今回の挑戦を通して、自分で考えて提案するようになって、その仕事に熱中していくようになった。人ってチャンス次第で変化していけるんだ、と思ったエピソードですね。
井手:そうなんですね。ヤッホーの採用面接では2つの軸があるんです。1つ目は、我々独自の基準の中で、優秀な人であるということ。2つ目は、経営理念に共感する人です。特に組織文化に共感して、これを体現できる人でないと採らないですね。ビール会社なので、ビールがめちゃめちゃ好きという人が面接に来たりしますけど、それより僕らはフラットに議論ができたり、自ら考えて行動できることの方が大事なわけです。
4. 多様性の活かし方と組織づくりにこだわる背景
熊平:多様性のある組織づくりをするために、何か取り組まれていることはありますか。
井手:うちでは社員全員がストレングスファインダーをやって、お互いの強みを全社に公開しているんです。いろんな個性の人がいた方がいいので、一つの部門に同じタイプが偏りすぎないようにはしています。ただ、多様な人材を採れば採るほど大事になってくるのが、経営理念だと思いますね。一定の方向性が揃った中で自由な個性があって、強みを発揮していくのはすごくいいことだと思うんです。経営理念がなかったら、ベクトルがバラバラになってしまうだけなので。
羽田:僕たちも同じ考えですね。多様性を理念で束ねるというのは、すごく大事だと思っています。 僕らは『あらゆるLIFEを、FULLに。』と、経営理念の内容を比較的広範囲にしてはいますが、新規事業のアイデアを出すときはある程度経営理念に則ってもらっています。あと僕自身は、経営理念や行動指針に対してはすごくうるさいです(笑)。例えば月末、あるリーダーが売上のために理念に合わないことを指示出ししていると聞くと、注意したりもします。採用で多様な人材を採りつつも、僕自身は同一性をいかにつくるかということを意識してやっていますね。
熊平:ここまでお二人が組織のあり方を大事にする理由というのは、どこにあるのでしょうか。
羽田:いろいろありますが、僕は実は10年ちょっと前に、中途採用で失敗した経験があるんです。当時社員数100人の会社が100人を採用する、という状況で、最終面接の権限を社長から各事業責任者に渡したんです。そうしたら、一部の事業部長が即戦力を採用したいあまりカルチャーフィットが二の次の状態で採用してしまったんですね。すると仕事はできるけど方向性が合わない社員が増えて、文化が乱れてしまったんです。それで、やっぱり一度社長や僕が面接をするフローにしたんですが、改めて経営理念に基づいた組織づくりというのは大事だなと思った出来事でしたね。
井手:我々の場合は、勝ち続ける組織をイメージしているからです。戦後30年勝ち続けている企業、成長し続けている企業というのはごくわずかで、それだけ成長し続けるためには、一部の経営陣の力に頼ってはいけないと思うんです。僕が何もかも指示しているような組織だと、社長が交代してしまえば続かないわけで。だから魅力的な組織文化として、受け継がれるようにしていきたいと。あとはもっと現場的な目線では、フラットな組織の方が働き手としても醍醐味もあるし、仕事していて楽しいし成長するから、いい循環が生まれる。そういう人が集まっていった方が、組織として勝ち続ける確率は上がるんじゃないかと思うんですね。
5. 自律型人材に必要なリフレクション
熊平:皆さんここで、今日の学びについて意見、経験、感情、価値観の4点でリフレクション(自己内省)をしていきましょう。私たちはこれをリフレクションのフレームワーク「認知の4点セット」と呼んでいます。皆さんが何か意見を持った時、その背景にある経験、感情、価値観までを言語化することで、自分の意見を客観的に捉えられるようになります。お二人にも、今日の学びを認知の4点セットで振り返っていただきましょう。
羽田:改めて、1つの目標達成をするために、すべてのメンバーがいきいき働く最高のチームをつくりたいと思いました。背景にあるのは、実は僕は新卒で入った会社が、かなり社員に厳しい会社だったのです。そこで傷ついたり涙を流したりして退職していく人をたくさん見てきて、どうせ働くんだったら楽しくないと嫌だな、という感情を持ったんですね。その結果、メンバーみんなが情熱をもって、チームで何かを成し遂げることの方が楽しいし、結果も出るという価値観を持つようになりました。それがたまたま今のLIFULLの社長とフィットしたので、今のような会社づくりの仕事につながっているんですね。
井手:実は僕の意見も羽田さんと同じで、改めて社員がいきいきと仕事をし、成長する会社を実現していきたいなと思いましたね。これまでの経験の話をすると、ヤッホーは創業してから8年間は連続赤字だったんです。社員はみんな辞めていって、事業部間でも営業側と製造側で陰口を言い合うような、ひどい状況だったんですよ。今思うと、このときみたいな経験を二度と起こしてはいけないと思ったんでしょうね。そこから、個人プレーでなくてチームで、楽しく、いきいき仕事をしたいという価値観を持ちました。そしてその結果業績が良い会社になったらいいよねと。今後も、やっていて楽しいと思えるビールづくり、組織づくりをしたいと思っています。
熊平:皆さんにも取り組んでいただいたこのリフレクションは、自らを客観視できるだけでなく他者への共感にもつながります。お互いの意見だけではなく、認知の4点セットで対話していただくと、より相手の深いところまで理解ができ、自分のことも伝えられた感覚があったのではないでしょうか。これは自律型組織をつくっていく上で、一人ひとりが自律的人材になるためにとても大切なエッセンスの1つだと考えています。
では最後に、この場にいる皆さんは、多かれ少なかれ自律型組織に興味があっていらしていると思います。そういった組織をつくりたいという方に、お二人からぜひアドバイスをいただけますでしょうか。
羽田:僕は基本、井手さんのような素敵なトップがいて、そこで企業文化はつくられていくと思っているんです。でもこの中には、企業のトップではないけれど組織を変えていきたい、と思っている方もきっといますよね。そういう人が組織変革に取り組むなら、やっぱりトップにいかに働きかけるかというのは非常に大事だと思います。トップとシンクロすること。1番難しいことですけど。
井手:僕が思ったことの1つ目は、他人は変えられないけど、自分は変えられるということです。私もチームビルディングに取り組み始めた時は、相手ばかりを変えよう、変えようとしていました。でもそれでは一向に変わらなくて、自分が変わると、周りもだんだん変わってくるんです。なので自分からまず行動を起こしてほしいです。
2つ目は、諦めないこと。私はトップになって3年がかりで組織文化の土台をつくったんですが、トップでない方がやろうとすると、もうちょっと時間がかかるかもしれません。でも諦めなければ必ず賛同者が少しずつ増えていくはず。新しい取り組みをやろうとすると、よく抵抗勢力が出てくるじゃないですか。それでも覚えていてほしいのは、正しいことをやっていたら、必ず誰かが見てくれているってことです。まずは自分の今いる場所で頑張って欲しいと思います。
羽田:LIFULLでは、一点の曇りもなく行動するという行動指針を取っているんですが、経営理念へのこだわりも同じだと思っていて。どこまで純度100%のこだわりで文化や制度をつくれるかということだと思うんですよね。あとは、共感を通じて集まった人たちは、とにかく信じるということ。どんなにうまくいかない時があっても、信じ続けることが大事だと思っています。
熊平:お二人とも、今日はありがとうございました。
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